肌を露出することが多くなる季節、つい開放的になって素肌をさらしてしまったこと、ありませんか?
日差しに含まれる紫外線が肌に悪影響を及ぼすことはわかっていても、つい日焼け対策を怠ったまま外出してしまうことはありがちではないでしょうか。
しかも紫外線が一気に強くなる時期は、私達が意識するもよりずっと早いのです。
日差しが強くなってダメージを気にする頃には、もうシミの予備軍ができてしまっているかもしれません。
特に女性にとっては、顔のシミはとても気になるものです。
ふと気付いてしまったら、鏡を見る度にそればかりに目が行ってしまって、一気に増えたり、濃くなっているように感じてしまうことにもつながります。
日焼けあとに出来たシミなどは、肌に蓄積したメラニン色素によるもので、40歳前後で気になりはじめるものは、このタイプが多いようです。
そんな顔のシミですが、多くの方ができることならすぐに消してしまいたい、消すことができないのなら、せめて少しでも薄くしたいと思っているのではないでしょうか。
しかし、残念ながら一度できてしまったシミは、そう簡単に消してしまえるものではありません。
美白をうたった化粧品や、サプリメントなどもありますが、その効果は確実なものとはいえないようです。
そこで今回は、消したいシミにアプローチする方法について、ご紹介していきましょう。
シミ取りの方法とは
あらわれてしまったシミをセルフケアで消すのは、かなりハードルが高いといえます。
自分でできることは前述した通り、美白化粧品やクリームを使ったり、シミを消せるとされるサプリメントを摂ることくらいしかありません。
シミを取る確実な方法は、クリニックや美容皮膚科など、医療機関で施術を受けることになります。
ここでは、クリニックや皮膚科でのシミ取りの方法を、いくつかご紹介します。
塗り薬による治療
これは、シミのできた肌に薬を直接塗って、シミを徐々に消していく一番手軽な方法です。
塗り薬に含まれる漂白効果を持った成分が、シミを薄くして目立たなくしていきます。
ハイドロキノンという成分は、シミの原因となるメラニンや、メラノサイトの働きを抑制する効果があり、シミに直接働きかけて消すことができるといわれています。
濃度が高いほど効果的ですが、一定量以上含まれていないと、シミを取るほどの効き目は表れないともされているようです。
ハイドロキノンが配合された化粧品は存在しますが、薬事法によって効果的だといわれる含有量を配合することができないので、目立った変化が見られないことも考えられます。
また、トレチノインという成分は、シミのできている肌のターンオーバーを促して、それによってメラニン色素を薄くしていく作用があります。
とても魅力的な各成分ですが、どちらもクリニックや美容皮膚科で処方される塗り薬に含まれるもの。
使い方を誤れば、かえってトラブルの原因に繋がってしまいます。
塗り薬を処方してもらった場合は、使用方法や注意事項をきちんと守って、正しく使うことが大切です。
内服薬による治療
シミの元となるメラニン色素の生成を抑制する効果があるトランサミンや、メラニン色素が
皮膚に沈着するのを防ぐ、ビタミンC誘導体などを服用します。
また、すでに沈着してしまったメラニン色素を、乱れたターンオーバーを整えて排出を促したり、紫外線などのダメージでメラニンの生成量が過剰になっているものを元の状態に戻すL-システインなどが用いられます。
ただ、これは効果が表れるのにかなりの時間がかかり、個人差もあります。
医療レーザーによる治療
医療クリニックや美容皮膚科などで受けられるレーザー治療は、あまり時間をかけずにシミを取ることが可能です。
確実に短期間での施術が可能なため、レーザー治療を受ける方も多く、よく耳にしたり目にしたりされていることでしょう。
ただ、どのような治療内容なのかわからないので、クリニックを訪れるのに二の足を踏む方もいるようです。
医療クリニックなどで使用されるレーザー機器や、それによって発せられるレーザーにはいくつかの種類があるのですが、いずれも黒い色だけに反応します。
この性質を利用して、シミに集まるメラニン色素だけを狙い撃ちします。
シミというのは、ターンオーバーなどで排出されなかったメラニン色素が集まり、肌に蓄積したものです。
シミ取りに使用されるレーザーは、黒や茶色だけに反応し、シミのメラニン色素に集まるので、照射するレーザーの持つ熱エネルギーによって、シミだけが破壊されるのです。
レーザーはシミの無い部分の肌にも照射されますが、メラニン色素がある黒や茶色の部位にのみ反応しますから、シミが無い部分の肌に影響はありません。
レーザー照射によって破壊されたメラニン色素を、私たちの身体は老廃物と認識します。
老廃物は肌の新陳代謝(ターンオーバー)により、一部は肌の表面へ押し出されてかさぶたとなります。
また、肌の深いところにあったものは、リンパを通して排出され、分解されて行きます。
これを外側から見ると、レーザー照射後、肌は一旦白っぽくなり、その後かさぶたができます。
個人差はありますが、かさぶたは1週間前後から自然に剥がれはじめ、その下には新しい皮膚ができています。
新しい皮膚は、はじめはピンク色ですが段々と色が薄くなり、1ヶ月ほどで周りの肌と同じくらいのトーンになって、目立たなくなります。
この1ヶ月を過ぎたころ、まれに色素沈着が起こる場合もありますが、徐々に周囲の肌と馴染んだ色合いに変わって行きます。
いずれにしろ、紫外線対策などのスキンケアは、シミが消えるまではそれまで以上に怠らないことが大切になります。
ただ、短期間で確実にシミ取りができるとされるこのレーザー治療も、シミや肌の状態の個人差などによって、1回の治療で完全に取り除くことができないケースもあります。
その場合は、期間を開けて再度レーザー照射を行うので、場合によっては完全にシミを取り除くまでに、3ヶ月から半年ほどの時間がかかることも考えられますから、その点も考えておきましょう。
シミ取りの方法のメリットとデメリット
塗り薬や内服薬のメリットとデメリット
塗り薬や内服薬を使用した場合のメリットは、なんといっても始めやすいことでしょう。
レーザーなどを使用する場合は心理的な不安もあるでしょうが、塗り薬や内服薬だと、あまりそういったものを感じないかもしれません。
一方のデメリットは、効果が表れるまでに時間がかかることです。
塗り薬も内服薬も、肌のターンオーバーを整えたり、促したりして効果を表すもの。
肌のターンオーバーは、約28日から56日程度の周期で行われるといわれます。
かなりの差があるのは、部位によっても、また年齢や体質によっても変わってくることから。
また、効果があっても緩やかなものになるので、シミが消えた!と実感するには、かなりの期間を要します。
レーザー治療のメリットとデメリット
多くの人が選ぶレーザーによるシミ取り治療ですが、もちろんメリットとデメリットがあります。
一番のメリットは、1回の施術でシミが綺麗に取れる可能性があること。
短期間で確実にという、理想的な治療効果がありますから、レーザー治療を選ぶ方が多いのもうなずけます。
レーザー治療のデメリットは、1回の施術で完全にシミが取れないこともあることや、レーザーのメラニン色素に反応する特徴を利用することから、色の薄いシミには目に見える効果が出にくいことがあげられます。
また、施術後の肌のケアは、それまで以上に気を付けて行う必要があります。
このように、どの施術を受けるにせよ、メリットとデメリットが存在するものです。
それをきちんと把握して、納得してから施術を受けるようにしてください。
クリニックや美容皮膚科で行うシミ取り治療について、いかがでしたでしょう。
シミで悩んでいる方がいたら、ぜひ一度受診してみてください。
納得がいくまで話を聞き、相談することで、可能性が広がるかもしれません。
そしてきちんとしたケアをしていけば、毎日がより明るく楽しいものに変わってくることでしょう。