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AGA(男性型脱毛症)と円形脱毛症の違いって?

公開 2018年7月25日
更新

特に男性の場合、年齢を重ねていくと気になってくるのが、頭髪のことではないでしょうか。

自分は大丈夫だと思っていたのに、予想外に頭髪が薄くなっているのに気付いた場合、やはり気にならない方はいないと思います。

気になってくると、鏡を見る度にその部分に目が行って、ますます気になってしまい、ふと気がつくと自分の頭髪のことばかり考えていたりして…?!

これはいささか極端な例かもしれませんが、これから恋愛関係に発展しそうなお相手が居たりすれば、大きな悩みの一因となることも考えられます。

このように、髪が薄くなってしまう「薄毛」という状態には、多くの日本人男性が悩んでいるようです。

毛が抜けてしまったり薄くなってしまう症状にはいくつかタイプがありますが、その代表的なものが円形脱毛症と、AGAと呼ばれるものです。

円形脱毛症は耳にしたことがあるでしょうが、AGAはあまり聞いたことが無いという方もおられるかもしれません。

AGAというのは、男性型脱毛症を指しており、この呼び方も以前に比べれば、大分認知度が上がってきています。

最近どうも、髪の毛に元気がないような気がする…

頭髪が薄くなってきている気がする…

そんな方はまず、自分の薄毛がどのタイプなのかを知ることが大切です。

円形脱毛症とは?

10円

いわゆる10円ハゲと呼ばれるように、コインのような円形に脱毛するのが、円形脱毛症です。

■円形脱毛症とは

円形脱毛症は、ほとんどの場合は予兆といえるものがないので、発症している事自体に全く気づくことが少なく、ある日ふと、全く髪の毛が無い部分に気が付いて、驚いてしまう方が多いようです。

円形脱毛症の場合、毛が無くなってしまった脱毛斑と呼ばれる部分と、毛が生えている部分の境界線が明確です。

脱毛斑の大きさは、10円硬貨程度のものから500円硬貨ほどのものまで様々で、さらに症状が悪化すると、脱毛している部分が頭皮全体に及んでしまうこともあります。

脱毛斑がはっきり見えるのが頭髪なので、頭皮に発症するイメージが強いかもしれませんが、実際は眉毛や体毛など、毛が生える部分であれば全身どの部位でも発症する可能性があります。

ほとんどの場合は予兆と呼べるものがないと書きましたが、まれに痒みや痛みを感じることはあるようです。

しかし多くの方は、シャンプーの際や散髪に行った時に指摘された、友人にもしかしたらと訊かれたなど、脱毛斑ができるまで全く気付かないようです。

脱毛斑の大きさには様々あることはお伝えしましたが、一口に円形脱毛症といってもいくつかタイプがあります。

最もよくみられる、脱毛斑がひとつだけある単発型、脱毛斑がふたつ以上ある多発型、頭髪が全て抜け落ちてしまう全頭型、汎発型と呼ばれる頭髪以外の体毛も抜け落ちてしまうもの、そして非常に珍しい、頭髪の生え際が帯状に脱毛してしまう、蛇行性脱毛症と呼ばれるものです。

■円形脱毛症の原因

よくストレスが原因などといわれる円形脱毛症ですが、実ははっきりした原因は解明されていません。

しかし、原因と考えられているものは、いくつかあげられています。

・自己免疫疾患

原因として最も有力視されているのが、自己免疫疾患です。

自己免疫疾患というのは、元々細菌などの外敵から自分を守るために働くはずの自己免疫が、何らかの理由で正常な自分の組織まで攻撃してしまう症状です。

円形脱毛症の場合は、正常に働かなくなった自己免疫が、毛包に関連するたんぱく質を敵とみなして攻撃・破壊してしまい、その結果、脱毛に至るのではないかとされています。

自己免疫疾患の要因は、疲労やストレスなどと考えられているものの、そういったことを全く感じていない場合にも発症がみられます。

それらのことから、これが原因だ、とはいいきれないのです。

・アレルギーやアトピー素因

円形脱毛症の患者さんでは、多くの方がアトピー素因を持っているという報告もあります。

アレルギーやアトピーは、やはり免疫反応を起こしている状態で、自己免疫疾患と似た傾向がみられます。

しかし円形脱毛症の原因である可能性は疑われるものの、まだ特定には至っていません。

・ストレスや遺伝

その他にもよく言われている、ストレスや、遺伝の可能性もあげられます。

長期間ストレスを感じていると、交感神経に異常をきたして頭部への血流が悪くなり、その結果、毛根への栄養補給が滞って脱毛が引き起こされると考えられています。

また外国での調査では、円形脱毛症を発症した患者の血縁者、とりわけ近親者に同じく発症率が高いという結果が出ています。

しかし、これも可能性が高いというだけで、はっきりしたことはわかっていないのが実情です。

また、円形脱毛症は、女性や子供も発症するのが、AGAとの大きな違いです。

AGAとは?

AGA

AGAとは、ANDROGENETIC ALOPECIAの略称で、男性型脱毛症を指しています。

■AGAとは

近年耳にすることが多くなったAGAですが、男性型脱毛症を指していることからもわかるように、原因となるのが男性ホルモンだと考えられています。

思春期以降に発症する進行性の脱毛症で、日本国内に限っていえば、40歳代で約3割、60歳代以後では約半数の男性が発症するともいわれています。

また、男性型脱毛症という名称ですが、女性でも発症する場合があります。

これは更年期以降の発症が多く、ホルモンバランスの変化が関係していると考えられます。

AGAの症状は、円形脱毛症のように脱毛している範囲とそうでない範囲がはっきりわかるというものではなく、全体的な毛の太さが細くなった状態になります。

高齢の方を見ると、薄毛にはなっていないけれど、髪全体のボリュームがなくなっていると感じることがあると思いますが、まさにそれが進行するイメージです。

そして細くなった毛が、成長する前に抜け落ちていってしまうのです。

■AGAの原因

人間の毛には、毛周期というものがあります。

人間の身体では、毛が生えはじめる「成長初期」、活発に成長する「成長期」、毛の成長が止まり自然に抜け落ちていく「退行期」、毛を作る素ともいえる毛包が活動を停止して休眠する「休止期」があるのですが、どの部位の毛でも、このサイクルを2年から6年程度のサイクルで繰り返しているのです。

AGAはこれが正常に行われなくなった状態で、それにはジヒドロテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが影響しています。

このジヒドロテストステロンは、髭などの体毛には成長因子を刺激することによって、毛を太く成長させる作用があります。

しかし頭髪に対しては、毛を作り出す毛母細胞を刺激して、毛周期の中の成長期を極端に短くさせてしまいます。

つまり、長く太く成長するはずの期間が短縮されてしまう訳ですから、短くて細い毛しか生えてこないという事態になってしまうのです。

AGAを発症すると、額の生え際やつむじ周辺から徐々に薄毛が進行するタイプ、全頭部全体から薄くなっていくタイプがありますが、薄毛が進行している部分の他のまだ健康な毛も、毛周期によって退行期を迎えれば毛が抜けていきます。

そして頭髪全体が、元気がなくなったようになってしまうのです。

円形脱毛症やAGAの治療とは?

■円形脱毛症の治療

円形脱毛症は、症状が軽い場合には自然に治ってしまうこともありますが、放っておいた場合、悪化してしまうことが考えられます。

円形脱毛症に気付いたら、まず皮膚科などのクリニックや病院などの医療機関で、診断を受けることが重要です。

円形脱毛症治療は、免疫機能に要因があると考えられるので、ステロイド系の内服薬の服用や、外用薬の塗布、またはステロイド剤の注射をおこなうこともあります。

また、冷却治療や紫外線治療など、症状の程度によって様々な治療を組み合わせることもあります。

また、円形脱毛症の治療では、健康保険が使えます。

ストレスなどのケアや相談などにも、専門医なら適切に対応します。

気付いたらなるべく早い時期に、クリニックなどの医療機関を訪って、正しい治療をはじめましょう。

■AGAの治療

AGAの治療には、一般的に内服薬と外用液が使われます。

内服薬はAGAの進行を抑える効果があるもので、AGAによって短縮してしまった毛周期を正常にして、毛の成長期を元のサイクルに戻します。

しかし、症状が進んでいる場合には、内服薬だけでは時間がかかってしまうので、発毛を促進させる効果がある外用液を併用することもあります。

その他には、治療薬の成分や、成長因子を頭皮に直接注入して毛髪を再生する療法、AGAの影響を受けない部分から自分の毛髪を移植する自毛植毛などもありますが、どの場合にも内服薬と外用薬も併せて用いられるのが、一般的な治療法となっています。

ただ、現状のAGAの治療法は、毛周期を正常なものに戻すものなので、効果が実感できるまでには相当の日数が必要です。

毛周期にも個人差があるので、おおむね3ヶ月から半年程度といわれています。

また、AGAでは健康保険は使えません。

治療にかかる費用はクリニックによって様々となりますが、ご自分のライフスタイルなどと考えあわせて、一番合ったものを選ぶことが大切です。

円形脱毛症とAGAの違い、いかがでしたでしょう。

かなりはっきり差があるので、説明されれば、なるほどといったところではないでしょうか。

いずれにせよ、自己判断は症状の悪化につながるケースが多いもの。

頭髪に関してはデリケートな問題なので、中々一歩が踏み出せない気持ちもあるでしょうが、なるべくはやく専門の医療機関などを受診して、治療をはじめられることをおすすめします。